タニタ秋田：健康を支える体組成計の製造プロセスと地域貢献の全貌
秋田県大仙市に位置する株式会社タニタ秋田は、体重計や体脂肪計、さらには体組成計で広く知られるタニタグループ唯一の国内工場です。精密な計量技術により健康管理を支えるこれらの製品が、どのような製造プロセスを経て作られているのか、また地域社会との連携による貢献について詳しくご紹介します。
タニタ秋田とは？
株式会社タニタ秋田は、タニタグループの国内唯一の製造拠点として、体組成計や活動量計などの健康関連機器を製造しています。ここでは、医療機器の設計から部品加工、製品組み立て、アフターサービスまでを一貫して行い、世界中の人々の健康づくりに貢献することを目指しています。
タニタ秋田の強み
グループ唯一の国内生産拠点
タニタ秋田は、国内唯一のタニタグループの生産拠点として、設計から組立まで一貫して手がけています。この一貫生産体制により、製品の高品質と迅速な供給が実現されています。また、日本国内での生産により、きめ細やかな品質管理が可能です。
充実した設備
タニタ秋田には、金属プレス設備、プラスチック成型機、塗装設備、電子回路組立実装設備など、さまざまな先端設備が揃っています。これにより、製品の開発から量産までをワンストップで行うことができ、高品質な製品を効率的に生産しています。
幅広い対応分野
タニタ秋田は、電子機器や電子回路の組立、金属プレス加工、樹脂成形、粉体塗装、シルク印刷など、幅広いものづくりの分野に対応しています。この多様な技術により、さまざまなニーズに応えることができ、幅広い製品ラインアップを提供しています。
タニタ秋田の製造プロセス
精密な計量技術
タニタ秋田の主力製品である体組成計は、精密な計量技術に基づいて作られています。体重や体脂肪率、筋肉量を測定するためには、高精度なセンサーと電子回路が必要です。これらの部品は、工場内の先進的な設備を用いて、厳格な品質管理のもとで製造されています。
設計と開発
タニタ秋田の製品設計は、メカ設計、電気設計、ソフト開発の各分野の専門家が協力して進めています。新しい製品の開発プロジェクトでは、チームが協力してアイデアを出し合い、試作から量産までのプロセスを担当します。お客様のニーズを反映した製品づくりを目指し、常に改良が行われています。
技術グループ 佐藤成史さん
「プログラム設計はお客様の立場になって考えるのが楽しいです。職場は明るく、和気あいあいとした雰囲気です。」
技術グループ 佐々木晶子さん
「電気設計を担当し、電子回路やプリント基板を設計しています。世界中の人の健康や暮らしに役立つものづくりにやりがいを感じています。」
部品加工と組み立て
部品加工では、金属プレス設備やプラスチック成型機を用いて、製品に必要な部品を精密に加工します。これらの部品は、品質検査を経て、組み立て工程に送られます。組み立て工程では、熟練した作業員が細心の注意を払って各部品を組み立て、最終的な製品に仕上げます。
検査と品質管理
製品の品質を確保するためには、厳格な検査と品質管理が不可欠です。タニタ秋田では、各製品が出荷される前に、性能試験や耐久試験などさまざまな検査を実施しています。これにより、消費者に安心して使っていただける高品質な製品を提供しています。
多品種少量生産の利点
タニタ秋田の製造体制は、多品種少量生産を得意としています。これは、消費者の多様な要求に応じた製品を柔軟に提供するための仕組みです。タニタ秋田では、セル生産方式を採用しており、1人または2人の作業員が製品を組み立てます。この方式により、ライン作業では難しい細やかな品質管理と迅速な対応が可能になります。
セル生産方式
セル生産方式は、1人または2人の作業員が1つの製品を最初から最後まで組み立てる生産方式です。これにより、作業員が製品の全体を把握でき、品質向上に繋がるとともに、生産の柔軟性も高まります。消費者の多様なニーズに応えるため、迅速に生産ラインを切り替えることができる点も大きな利点です。
地域社会との連携と貢献
社員証と活動量計の活用
タニタ秋田の社員証は、活動量計としての機能を持っています。社員証は、仕事場への入退室管理に使用されるだけでなく、3次元加速度センサーによって測定されたデータをもとに、日常の動きによる消費カロリーを算出します。このデータは、社員の健康管理に役立てられています。
地元大仙市との協力
タニタ秋田は、地元の大仙市と協力し、地域住民を対象とした健康管理事業を展開しています。同市の全市民および在勤者約8万人を対象に、自社製の活動量計を無料で配布し、健康状態に基づいた運動提案を行っています。この取り組みは、生活習慣病の予防や地域の医療費削減に大きく貢献しています。
樫尾昇社長
「地域社会への貢献と、健康計測機器メーカーとしてのPRを兼ねています。」
健康管理事業の成果
タニタ秋田と大仙市の協力により、市民の健康管理が進んでいます。活動量計を用いたデータに基づいて、一人ひとりの健康状態に合わせた運動や生活習慣の改善が提案されています。この取り組みにより、市民の健康意識が高まり、医療費の削減にも繋がっています。目標として、30年度までに年間医療費を約22億円削減することを掲げています。
新たな成長分野：アルコール検知器
最近では、アルコール検知器の需要が急増しています。旅客機パイロットの飲酒問題や、トラックやタクシーの運転手の乗務前点検などが背景にあります。タニタ秋田では、これらの需要に応じた高品質なアルコール検知器を提供し、信頼を得ています。
マザー工場としてのタニタ秋田
タニタグループの工場は、タニタ秋田と中国広東省にあります。タニタ秋田は、「マザー工場」として、新技術の量産化を確立し、技術指導や品質管理を行っています。これにより、高価格品は秋田で、低～中価格品は中国や協力工場で生産するという分業体制が確立されています。
樫尾昇社長
「新技術を取り入れて量産化を確立し、技術指導や品質管理を行っています。」
迅速な対応力
タニタ秋田は、迅速な対応力も特徴です。特に業務用の計量器においては、受注から商品出荷までわずか4日というスピードで対応しています。これにより、国内外の需要に迅速に応えることができ、高い顧客満足度を実現しています。
タニタ秋田での働きがい
設計・開発のやりがい
タニタ秋田では、設計・開発の各分野の社員が協力して新商品を作り上げています。メカ設計、電気設計、ソフト開発など、各分野の専門家がチームで力を合わせ、アイデアを形にしていきます。ゼロから商品を作り上げる過程には、大きなやりがいがあります。
社員の声
技術グループ 佐藤成史さん
「プログラム設計はお客様の立場になって考えるのが楽しいです。職場は明るく、和気あいあいとした雰囲気です。」
技術グループ 佐々木晶子さん
「電気設計を担当し、電子回路やプリント基板を設計しています。世界中の人の健康や暮らしに役立つものづくりにやりがいを感じています。」
キャリアアップの機会
タニタ秋田は、社員のキャリアアップを手厚く支援しています。資格取得や専門分野の研究をサポートし、社員の成長を応援しています。また、希望者には東京のタニタ本社での勤務も可能であり、広い世界で経験を積んだ後、秋田でその知識を活かして働くことができます。
まとめ
タニタ秋田は、体組成計をはじめとする健康計測機器の製造において、国内唯一の製造拠点として重要な役割を果たしています。高品質な製品の提供と迅速な対応力を備え、地域社会への貢献も果たしています。タニタ秋田の取り組みは、今後も多くの人々の健康を支え続けることでしょう。
